三重県南部、熊野灘に面する尾鷲市。
漁業が主幹産業であるこの町には約19,000人の住民が暮らしています。
海とともに歩んできたこの町には、かつては多くの大漁旗職人がいました。
現在は万助屋三代目の山本昇吾氏(85歳)ただ一人に。
後を継ぐ者はいません。
大漁旗作りの伝統が幕を閉じようとしている中、「何とかならないか」「何とか後継者を」と想う人々が繋がり、さまざまなカタチになりつつあります。
大漁旗をリメイクした雑貨を作り販売したりする中で、天満荘のみなさんと山本さんの距離が縮まっていくのが目に見えてわかりました。
また、尾鷲商工会議所のご尽力で、DRAWING AND MANUAL株式会社の菱川氏たちが「尾鷲大漁旗職人ムービー」を制作してくださいました。
こうした流れの中にある今、尾鷲の浦々に残っている大漁旗を集めて展覧会をしようということになりました。
「大漁旗をください。もしくは貸してください」と浦々に声をかけたところ、たくさんの大漁旗が集まってきました。
こうして2015年11月6日(金)から16日(月)、天満荘にて「心躍る!大漁旗展」を開催する運びとなりました。詳細はこちら
開催期間中は尾鷲の町のいたるところ、民家の軒先などにも大漁旗が飾られます。
また、約100艇の漁船も大漁旗を掲げていただけるそうです。
今後、尾鷲の大漁旗文化はどうなっていくのか、誰にもわかりません。
ですが、想いがあれば、時間はかかっても紡ぎつないでいけるのではないでしょうか。
尾鷲大漁旗物語は、まだはじまったばかりなのです。